漢方コラム
2022年02月26日

PTSD・不安症について

こんにちは。エルム薬局の笹田です。ブログアップがご無沙汰してしまいました。(-_-;)
新しい年を迎えて早くも2か月が過ぎようとしています。今のところコロナが終息に至っていませんが、今年は良い年になると信じたいですね。
でも、生きていると予想もしないハプニングが起こるもの。先日ご来局のご婦人は数日ぶりに訪れた義父の家で、すでに亡くなっている義父の遺体を発見してしまいました。いわゆる孤独死をされていたのですね。すっかりパニック状態に陥ってしまって、ご自身もめまいで倒れてしまったそうです。それ以来、夜が怖い、一人でいると不安、眠れない…などなど、落ち着かない状態で日常生活もままならないため、心配したご主人に付き添われてご来局されました。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とはとても怖い思いをした記憶が整理されず、そのことが何度も思い出されて、当時に戻ったように感じ続ける病気です。多くの人には不安、不眠、動悸などの症状が生じます。トラウマ(心の傷)体験後1か月以上たっても症状が続く場合はPTSDが疑われます。この方の場合は数週間前の出来事とのことでしたが、早めの治療やケアがその後の心的障害を少なくするために大切であることをご説明しました。

PTSDを含めた「不安症」の症状に対しても漢方薬は有用です。「不安症」に使われる代表的な漢方薬には、柴胡加竜骨牡蛎湯、苓桂朮甘湯、苓桂甘棗湯、帰脾湯、半夏厚朴湯などがあり、
それぞれの体質や症状に合わせて選択されます。今回は虚証(体力が虚弱)タイプの方で、緊張したときや不安なときに激しい動悸を感じると言われましたので、気を鎮めて緊張を和らげる苓桂甘棗湯(リョウケイカンソウトウ)をお試しいただきました。服用2週間程度でやや落ち着かれてきました。笑顔もみられるようになりご家族もほっとされている様子でした。念のために1か月継続していただきましたが、その後はパニックや不安になることはなくなったとのことです。
心の障害は目に見えにくいものですが、時に身体的な症状となって表れてくることがあります。気になること心配なことは抱え込まずに一度ご相談になってくださいね。

当薬局では患者さまのお悩み、症状に合った漢方薬をご提案させていただきます。
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それではまた次回の更新で…(^^)